日銀が実施したと思われる為替介入により円相場が乱高下
2024年5月10日現在 まだ正式発表はありませんが、政府・日銀が為替介入を実施したことに間違いありません。
【2024年4月下旬~5月上旬】ドル/円のリアルタイムチャートです。
4月下旬に円安が急激に進み、政府・日銀が為替介入を行ったようです。結果として、円相場が大きく変動し翻弄された投資家も多かったと思われます。
一番得をしたのは政府・日銀ですね。為替介入は財務大臣の指示により日銀が行うのですが、10兆円近い規模の為替介入を行った模様です。
元々は、1ドル80~100円の時に買ったドルを売って、150円台で買い戻していますので、得た利益は莫大です。最もその莫大なお金は国庫に入りますから、一般国民に不満はないでしょう。
一部の経済評論家が「国民に還元せよ!」と訴えていましたが、現在 国は多額の借金を抱えていますので、無理でしょうね。
日銀が為替介入したと思われる今回のタイミングは絶妙でした。4月29日に1ドル160円を超えたところで1回目の為替介入を行ったとみられ、154円52銭まで円高ドル安方向に動きました。
その後は又じりじりと円安が進み、158円に迫ったところで再度、2回目の為替介入を行ったとみられます。日本時間5月2日未明のことで、世間を驚かせました。円は急上昇し一時153円00銭まで円高が進行しました。
その後もさらに円が上昇しましたので、日銀の介入がいかに効果的であったかが分かります。この2回目の介入により、大損害を被った投資家もいたようです。
私も157円台で為替介入が入るとは考えていませんでした。これ以上の円安は許さないという、政府・日銀の強い怒りの現れです。
この結果を受けて、金融アナリストが次のように警告しています。
投資する金額は全資産の一部(余裕資金)に留めること、無理な取引はしないこと、大型連休前はポジション調整を心掛けること、などをアドバイスしています。
日米の政策金利差が縮まらない限り円安傾向は続く
現在の円安の根本原因は、日米の政策金利の差にあります。ご存じのように今は、日本円を銀行に預けてもほとんど利息が付きません。しかし、アメリカドルには年5%を超える利息が付きます。だから皆ドル買いに走り、結果として円が安くなるわけです。
そこで、アメリカFRBが金利を下げるか、あるいは日銀が金利を上げて日米の金利差を縮小できれば、円安は止まり円高方向に振れます。
アメリカの場合ですが、今はインフレが収まっていないので、金利を下げたくても下げられない状況です。
そして日本の場合ですが、今ようやくデフレを脱却し、2%近いインフレが定着しつつあります。よって、今年は日銀が金利を上げるのではないかと噂されています。
ある経済評論家は、今年0.25~0.5%くらいの利上げがあるのではないかと予測しています。もし、日銀が利上げを実施すれば、一気に円高方向に変化します。
但し、それがいつになるかが分かりません。だから、的確に予知できれば必ず儲けることができますし、今回の日銀の為替介入にしても時期を正確に特定できていたら、たくさん儲かっていたはずです。
逆説的に言えば、未来のことがよく分からないから人生はスリルがあって面白い、ということも言えます。
FXは円安でも円高でも利益を出せるから面白い
株式の場合はとてもシンプルで「安く買って高く売る」ことで利益を得ることができます。ところが、FXの場合は円が安くなっても高くなっても利益を出すことができるのです。
ドル/円を例にとりますと、「円安基調の時には、ドルを安く買って高く売る」また「円高基調の時には、先にドルを売って安く買い戻す」ことによって利益を生み出すことができます。
「保持していないドルを先に売る」という手法については、最初 私はよく分からなくて戸惑いましたが、実際にやってみて理解することができました。
日銀の為替介入の狭間で利益を狙ってみた、果たして結果は?
日銀が1回目の為替介入を行ったと見られる時に、チャンス到来と思いチャレンジしましたが、見事に撃沈しました。
(1) 楽天証券のペソ/円(MXN/JPY)で、1,000通貨の取引
日時 | 取引 | 約定レート | 時価 |
---|---|---|---|
2024年4月29日 22時頃 | 買い | 9.165 | 9,165円 |
<未決済> 2024年5月10日時点での損益は +100円 |
(2) 楽天証券の南アランド/円(ZAR/JPY)で、1,000通貨の取引
日時 | 取引 | 約定レート | 時価 |
---|---|---|---|
2024年4月29日 22時頃 | 買い | 8.369 | 8,369円 |
<未決済> 2024年5月10日時点での損益は +60円 |
(3) DMM.com証券のNZドル/円(NZD/JPY)で、10,000通貨の取引
日時 | 取引 | 約定レート | 時価 |
---|---|---|---|
2024年4月30日 9時半頃 | 買い | 93.378 | 933,780円 |
2024年5月02日 18時 頃 | 売り | 92.059 | 920,590円 |
決済後の損益は、-13,190円 |
【解説】
楽天証券のペソ/円と南アランド/円については、もう少し利益が出ると思っていたので少し残念です。但し、この2つの通貨は時価が安いので損得の波が緩やかで、比較的安心して取引することができます。
DMM.com証券のNZドル/円が一番狙っていた取引です。5月2日未明に日銀が再び為替介入を行ったとみられ、急速に円高が進み 怖くなって、その日の18時頃に決済してしまいました。
なお、現時点(5月10日15時)でのNZドルの売りレートは93.730となっており、今まで保持しておけば、3,520円の利益が出ていたことになります。余裕と自信がない取引を行うと、こうなるということです。
※今回 外国通貨を買っていますので、スワップポイントが少し付いていますが、今回の損益計算からは除外しています。
為替相場の予測については短期は難しいが長期は読みやすい
ある経済評論家は、2回目の為替介入があったと思われる前の時点で、ドルを売ったそうです。予測は的中しましたが、絶対的自信があったわけではないと言っていました。
為替相場に関しては短期の動向を読むのは難しい、予測が外れて損害が出るかもしれない、それは仕方のないことでそれでも良い、というようなことも言っていました。
前述の日米金利差の問題です。今年日銀が利上げをすると、金利差が縮まり必ず円高に振れる。そうなれば売ったドルを安く買い戻せる可能性は非常に高くなる、ということを意味します。
私がFXで使った楽天証券とDMM.com証券との違いについて解説
私は現在、楽天証券とDMM.com証券を利用しています。これまで数回の取引を行って感じた、2社の違いについて解説します。
項目 | 楽天証券 | DMM.com証券 | 解説 |
---|---|---|---|
最低取引単位 | 1,000通貨 | 10,000通貨 | 当然大きくなるの で要注意です | DMMの損益額は
レバレッジ | 1~25倍の範囲内で選択 | 25倍 | |
スプレッド | (取引手数料みたいなもので、狭いほど利益が出やすくなります【2024/5/10現在】) | ||
USD/JPY | 0.2 | 0.2 | 両社に差はなし |
EUR/JPY | 0.5 | 0.4 | DMMの方が有利 |
AUD/JPY | 0.6 | 0.5 | DMMの方が有利 |
NZD/JPY | 1.2 | 0.7 | DMMの方が有利 |
MXN/JPY | 0.2 | 0.2 | 両社に差はなし |
ZAR/JPY | 0.9 | 1.0 | 楽天証券の方が有利 |
取引画面 | とても使い難い | 使い易い | 楽天証券には改善を 望みます |
FX初心者の方には、楽天証券から始めることをお勧めします。DMM.com証券は どうしても損益額がデカくなりますので、FX取引をよく理解している人で、且つ余裕資金をある程度持っておられる方にお勧めします。
大手企業のエリート社員でもFXの罠にハマる
【文春オンライン記事より抜粋】
先般、伊藤忠商事の30代男性社員が会社のお金を約7億円横領して、そのほとんどをFXで失ったという記事が紹介されていました。
この社員は、灘中・灘高・東大卒の超エリートだそうで、会社からの告発により、業務上横領容疑で逮捕されています。学業優秀な人間でもFXの罠にハマるんですね。
このエリート社員は、ニュージーランドの関連会社に出向中に、架空の請求書を使って会社から自身の口座に送金させ、その全額をFXにつぎ込んでいました。
日本だとレバレッジが最高25倍までに制限されていますが、この社員は海外業者を利用することによってその制限を外し、数百倍の取引を行っていたようです。そして横領したお金はほとんど残っていませんでした。
小さな取引を行っているうちはまだ大丈夫なのですが、このようにデカいお金を動かすとお金の価値が分からなくなります。金銭感覚が麻痺します。正常な思考ができなくなって、ドツボにハマっていったと推察できます。
これとよく似た例がスポーツ賭博に大金を使った、大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者ですね。大谷選手の絶大なる信頼を裏切って、大谷選手の銀行口座をまるで自身の口座であるかのように、勝手に操作しています。
完全に頭がおかしいです。このように大きなお金を扱うと正常な思考ができなくなってしまうんですね。恐ろしいです。
FXの値動きは激しいですから、ドツボにハマれば非常に怖いです。FXには手を出さない方が良いという人がいますが、それは私もよく理解できます。
特にギャンブルなどをやる際に、予算を考えずに熱くなる人は絶対に手を出してはいけません。